サバカレー

カレーという料理の中に、サバカレーというジャンルが存在することは、だいぶ前から知っていたが、なかなか食べる機会がなかった。食卓で出るカレーは、チキンカレー、ポークカレー、キーマカレーの3パターンだったし、学校の給食でもサバカレーが出ることなんて一回も無かった。また僕はサバカレーに、他のカレーから仲間外れにされているという印象を持っていた。王道のチキンカレー、ポークカレー、ビーフカレーという、いわばお肉カレーが日本の食卓を席巻してしまったため、シーフードを使ったカレーは影が薄くなっている。ましてやサバは、臭いと一蹴されてしまう可哀想な存在、好んで食べる人なんて少ないのではないか、長年そう思っていた。

そんな中、とあるバラエティ番組で、お肉料理VSお魚料理みたいな企画があった。ゲストがお肉料理とお魚料理をそれぞれ紹介して、司会者がどっちが食べたいか決めるというシンプルな企画だったが、全部で5回戦ぐらいあったのかな、最終決戦で、お肉料理代表は、ビーフステーキが乗っかったピラフみたいなやつで、お魚料理代表は、サバカレーだった。なんとそこでサバカレーがビーフステーキにストレート勝ちしたのだ。それ以来、僕のサバカレーを見る目が変わった。ビーフステーキに勝つなんてサバカレーやるじゃんみたいな(何様だよ)。でも結局その後も、サバカレーを口にする機会は無かった。

そして月日は流れ、ついにサバカレーを食べる(作る)機会が訪れた。にんじん、玉ねぎ、ナスを煮込んでいる鍋の中に、一口サイズにカットしたサバを入れる。始めはサバの臭いが気になったが、ルーを入れた途端、その臭いは無くなった。これぞカレーマジック。電子レンジでチンしたご飯に、サバの入ったカレーをかけて、食べる。始めてのサバカレー、普通に美味しい。サバは食感もしっかりしているから、食べ応えもある。今回は切り身のサバを使ったわけだが、ネットでサバカレーと検索したところ、サバ缶を使ったサバカレーのレシピがこれでもかと出てきた。その手があったか。