伏線回収

この間、『亀は意外と速く泳ぐ』という映画を観た。監督と脚本を担当したのは、三木聡さん。三木聡さんは僕の大好きな『時効警察』というドラマの脚本も書いていた。出演者も岩松了さん、ふせえりさん、松重豊さん、嶋田久作さん、伊武雅刀さん、温水洋一さんなどと僕の好きな俳優さんばかり。とても面白い映画で、もう何回も観ている。

そして、この三木聡さんという人が、『トリビアの泉』に関わっていたことを最近知った。『トリビアの泉』は僕が物心ある頃には、レギュラー放送は終わっていて、年に何回かの特番でしか放送されてなかったため、観たことあるのは2、3回だろう。しかし、とても印象深い番組だった。特に印象深かったのは、番組(結構なスペシャル)の最後に大きなトリビアを紹介するといった感じで、やけに大げさに引っ張られたのだが、肝心の内容は、「かりんとうを一晩水につけると、☓☓に見える」という何ともくだらないものだった。それを観て、腹を抱えて笑ったのを覚えている。そしてあまりのくだらなさに衝撃を受けたあの頃から、およそ10年が経ったある日、僕はまたもや衝撃を受ける。なんと『亀は意外と速く泳ぐ』の作中で、「かりんとうを一晩水につけると、やばいものに見える」という小ネタが出てくるではないか。脚本は三木聡さん。そしておそらく、『トリビアの泉』でかりんとうのネタを作ったのも三木聡さん。三木聡さんは小ネタを使い回しする人なので、このかりんとうネタは、三木聡さんの鉄板ネタの一つとして考えられる。この映画の音声解説では、三木聡は実際にかりんとうを水に一晩つけたことがあると話されていた。10年かけた伏線回収とはこういうことを言うのかもしれない(多分)。