マーズ・アタック!③〜ストーリー・登場人物〜

※このブログには、ネタバレが含まれています。

 

前回の続き。内容はタイトル通り、マーズ(火星)がアタック(攻撃)する、ただそれだけ。僕はこのタイトルも好きで、同じSFパニック映画でも、『地球が静止する日』や『インデペンデンス・デイ』みたいにひねるわけではなく、『マーズ・アタック!』と実にシンプルな所が愛らしい。もしかしたら『宇宙戦争』よりもシンプルなタイトルかもしれない。それがいいのだ。そんな火星人がただ地球を攻撃する『マーズ・アタック!』は、ストーリー、セリフ、オチ全てがB級なのだが、豪華キャストが出演しているということと監督がティム・バートンということ、配給がワーナー・ブラザースということで、B級映画にありがちな安っぽさが無くなっていると僕は思う。しかもこの映画は、ティム・バートンが撮りたくて撮った作品だから、愛情は感じるし、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』を考えた監督が撮った作品と思えば、少し怖さは和らぐかな。

 

次に登場人物について、この映画は、パニック映画に出てくる登場人物としては満点の登場人物ばかりなので、何人かの登場人物を1人ずつ解説していきたいと思う。

 

①ジェームズ・デイル大統領(ジャック・ニコルソン

本作の主人公。『インデペンデンス・デイ』に登場した、感動的なスピーチを披露した後、自ら戦闘機に乗り込んだ大統領とは正反対のただアホな大統領。まず、ジャック・ニコルソンアメリカ大統領というだけで笑える。最後は、演説で火星人を感動させたと思いきや、火星人の動く手(意味不明)でお腹をぶっ刺され、旗台にされる。

 

 

②アート・ランド(ジャック・ニコルソン

なんとこの映画では、ジャック・ニコルソン一人二役を演じている。ティム・バートン監督がジャック・ニコルソンに「どの役がやりたい?」って聞いたところ、ジャック・ニコルソンが「全部!」と答えたため、一人二役になったらしい。で、この二役のアート・ランド。ラスベガスに入り浸る実業家かな(未だによく分からない)?家にはプールがあって、自家用ジェット機も持っているので、かなりのお金持ちであることは分かる。そこまで出番は多くない。最後は、ホテルごとやられてしまう。

 

 

③マーシャ・デイル(グレン・クローズ

デイル大統領のファーストレディー。出番は意外と少ないが、火星人が暴れた時のリアクションがいちいち上手。流石、大女優(お前が言うな)。

中盤で、頭の上からシャンデリアが落ちて、亡くなってしまう。もう少し活躍が見たかった。ちなみに最初この映画を観たときは、「この女優さん有名みたいだけど、知らないなー」と母と言っていたが、この女優さんが『101』のクルエラだと知った時は、恐れ入りましたと反省した。

 

 

④バーバラ・ランド(アネット・ベニング

アートの妻。火星人を信仰するセミナーに参加するが、火星人がサハラ砂漠で大暴れしてからは、誰よりも早く火星人から逃れる計画を立てている。一番死にそうで死なない人物だった。また、知名度のある俳優陣の中では、唯一火星人に殺されていない人物である。なんかそこも面白い。

 

 

⑤ドナルド・ケスラー教授(ピアース・ブロスナン

政府ご用達の宇宙生物学者。ハンサムなだけにすごい胡散臭い(褒めている)。普通のSFパニック映画だったら、この人が地球を救うのだろうが、全然活躍しない。最後は、生首になった状態で犬女になった女性と恋に落ちる(意味不明)。

 

 

⑥ギャンブラー(ダニー・デヴィート

文字通り、ただのギャンブラー。クレジットで名前が5番目に出てくる割には、出番がものすごく少ない。最初観た時は本当にびっくりした。ポスターにも載っているのに、こんなに出番が少ないとは。ギャンブラーとしか書かれていない所が、この人物がいかにチョイ役であるかを示している。ただ、やっぱりダニー・デヴィートだけあって、数少ないシーンでもしっかり爪痕を残している。

最後はパニック映画にありがちな、1人だけ勝手な行動して殺されるという末路。ちなみにこのギャンブラーの遺言は、「ロレックス」。

 

 

⑥デッカー将軍(ロッド・スタイガー

タカ派の鬼将軍。キャラクター的にもとても良い味を出していて、出番もそこそこ多い。最後は、火星人のビームを浴びて小さくなり、火星人に踏み潰される(意味不明)。

 

 

⑦リッチー・ノリス(ルーカス・ハース

トレーラーハウスに住む家族からつまはじきにされている心優しい青年。お婆ちゃん子で、最後は自分をないがしろにした両親よりもお婆ちゃんを助けることを選び、結果火星人を倒すことに成功する。この映画の事実上の主人公はこのリッチーか、後で解説するバイロンだと思う。普通の映画だったら、リッチーを主人公とするかもしれないが、クレジットで名前が出てくるのは、11番目という…。

 

 

バイロン・ウィリアムス(ジム・ブラウン)

今作のもう一人の主人公候補。借金取りの仕事から足を洗い、カジノで真面目に働きながら、離婚した妻とよりを戻したいと考える世界ヘビー級チャンピオンという、十分すぎる設定をもった人物である。また、仲間を逃すために、自ら囮になって、火星人に素手で立ち向かうという主人公にふさわしい要素も兼ね備えてある。最終的には火星人の大使の一人を倒すが、大量の火星人に囲まれたため、死んだと思われたが、ラストで命からがら、妻と子供たちのいる家へ帰還して、最もおいしい所を持っていった。しかし、こんなに活躍してもクレジットで名前が出てくるのは、13番目という謎。

 

 

⑨フローレンス・ノリス(シルヴィア・シドニー

リッチーのお婆ちゃんで、リッチーの唯一の理解者。終盤でこのお婆ちゃんが大好きだった歌(調べると、『インディアン・ラブ・コール』という歌だったことが分かった)が火星人の弱点であることが判明する(意味不明)。その歌を聴いた火星人は、あれよあれよと全滅してしまう(意味不明)。余談だが、最初この映画を観た時、「このお婆ちゃん、樹木希林さんにそっくりだな〜」と思った。そのくらい似ている。

 

 

トム・ジョーンズトム・ジョーンズ

なんとこの映画には、トム・ジョーンズが本人役で出演している。また、このトム・ジョーンズが、今作のニヤニヤポイントの1つである。ホテルが倒壊するシーンの直後にラスベガスでトム・ジョーンズが歌うシーンが流れるたびに、ニヤニヤしてしまう。最後にトム・ジョーンズが、タホの洞窟で生還した後、動物たちに囲まれながら持ち歌を歌おうとするシーンも観るたびにニヤニヤしてしまう。飛行機免許を持っていることで、バーバラとタホの洞窟に脱出することができるわけだが、改めて聴くと訳の分からない話である。それがいいのだ。

 

 

今回は書きすぎた。次回は『マーズ・アタック!』の思い出について書きたいと思う。