マーズ・アタック!②〜衝撃を受けた要因〜

※このブログには、ネタバレが含まれています。

 

前回の続き。まず、僕がこれほどまでに『マーズ・アタック!』に衝撃を受けた要因をいくつか書こう。

1つ目は、1人で観たということである。観終わった後に隣で親が「つまんなかったねー」と言ったら、僕はその映画をつまんない映画と認識してしまったかもしれない。当時小学一年生だった僕からしたら、親という存在は絶対的な存在だったから、親がつまんないと言った映画はつまんない映画として認識してしまう。1人で観たことで、誰の感想にも心が左右されることがなかったため、この映画を素直に面白いと感じることができた。また、この映画は自分1人しか観ておらず、家や学校でもこの映画を観たことあるという人は1人もいなかったため、自分1人だけが知っている特別な映画として勘違いすることができた(いい意味で)。

2つ目は、予告編を観ずに本編を観たということだ。予告編を観てしまうと、本編を観ているときに、「あれ?予告編のあのシーンがまだ出てきていないということは、この人まだ死なないな」みたいに物語の先が読めてしまう。それだと驚きや感動は少ない。ましてや、いつ誰が殺されるか分からないような映画は、予告編を観てしまうといつ誰がどのタイミングで殺されるか何となく勘づいてしまう。本当にこの映画は予告編を観ずに本編を観たので、新鮮な気持ちで観ることができた。

3つ目は、劇中で殺される人が多すぎるということだ。普通、パニック映画において物語の主要人物とか知名度のある俳優さんとかは、最後まで生き残ったり、ある程度活躍するわけだが、この映画ではそんな常識は通用しない。まず、映画で主人公は絶対殺されないという固定概念を持っていた当時小学一年生の僕は、途中で主演のジャック・ニコルソンが殺されるのを観て衝撃を受けた。「えー!?主人公ってこんな簡単に殺されるの?」と僕にとっては新しい体験だった。また、クレジットでは、2番目に名前が出てくるグレン・クローズ演じる大統領夫人も、途中であっけなく殺されてしまう。しかもグレン・クローズに至っては大した活躍もなく、大して出番が多いわけでもない。それもまた新しい体験だった。決して、キャスト一覧で上のほうに名前がある人が出番が多いわけでも無いということを知った。

ちなみに、ポスターやDVDの表紙には、ジャック・ニコルソングレン・クローズアネット・ベニングピアース・ブロスナンダニー・デヴィートの5人の名前が主要キャストとして載っているわけだが、劇中ではこの5人のうち、アネット・ベニング以外の4人が火星人に殺される。今でもなんちゅう映画だと素直に思う。その他にも名前が6番目に出てくるマーティン・ショート演じる大統領報道官は火星人に撲殺されるし、名前が7番目に出てくるサラ・ジェシカ・パーカーは火星人に犬女に改造されるし、名前が8番目に出てくるマイケル・J・フォックス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主演を務め、この映画に出てくるキャストの中でも、日本における知名度はかなり高い。)は序盤であっけなく殺されるし、知名度のある俳優さんを容赦なく殺して、知名度が少ない俳優さんのほうを活躍させるという謎の演出。ティム・バートン監督なりの皮肉なのか、おふざけなのか、それともたまたま殺される役に地名度のある俳優さんがキャスティングされたのか、よく分からないが、よく考える必要もないだろう。

今回も長くなってしまったので、ストーリーと登場人物に関しては、次回解説しよう。